授乳のトラブル「白斑」に〜日本の薬草を使った伝統療法ユキノシタ湿布
おっぱいの先に詰まった白いプツプツ、白斑…
きっと白斑を経験された方ならご存知ですよね💦
チクチク、ヒリヒリして痛いとよく聞きます。
授乳の度に痛い思いをしていたら、赤ちゃんとスキンシップがとれる幸せな授乳時間も辛いものになってしまいますよね😢
今日は、白斑への対処の仕方と、昔から日本で行われていた薬草を使った伝統療法「ユキノシタ湿布」の方法をお伝えします🌿
授乳中じゃない方も、男性の方もいつかどこかで役に立つかもしれないので、どうぞお付き合い下さい🌸
*白斑とは?
白斑とは、正式には「乳口炎」と言い、乳口(おっぱいの出口部分)に炎症が起こることを言います。
乳首を見てみると白い点ができており、その部分に触れたり、おっぱいを飲ませるとピリピリ痛みます。この白い点は、おっぱいの脂肪分が固まってできた白斑と呼ばれるもので、乳管が詰まりその先が虚血したような状態になるのです。
*どんな時に白斑ができるの?
白斑ができる主な原因は、
①授乳間隔が空きすぎている
②いつも同じところに圧がかかっている
③赤ちゃんの浅い吸いつき
④乳頭、乳輪がかたい
⑤乳製品や砂糖を摂りすぎている
*白斑を早く治すためのケア
①について
完全母乳の方は、頻回授乳(1日に8回以上)で赤ちゃんの欲しがるだけおっぱいをあげて下さい。少し大きくなってくると、夜間眠ってくれることも増えてきますが、授乳が5〜6時間空くとおっぱいトラブルも増えますし、母乳の量もだんだん減ってきます。夜間の方が、母乳産生に関わるプロラクチンというホルモンが多く分泌されます。(日中の約2倍)授乳中なのに早く生理が始まる方は、夜間に授乳間隔が空いていることが多いです。特に、夜間に授乳間隔が空きすぎないよう注意しましょう。
【補足】
乳汁生成Ⅲ期(産後約9日〜)に入ると、オートクリンコントロールといって、排出されたおっぱいの分だけ産生されるというリズムに変わってきます。そのため、この時期になると、産生されたおっぱいをいか空にできるかということが母乳量の維持にとって重要な点になってくるんです。なので、あまり時間が空きすぎてしまうのは望ましくないことなんですね👌
②について
いつも同じ抱き方でおっぱいをあげていると、いつも同じ部分に圧がかかりやすくなります。赤ちゃんの下顎が来る部分のおっぱいを重点的に飲んでもらいやすいものです。横抱きだけでなく、立て抱き、フットボール抱きなどを取り入れて、いろんな角度からおっぱいを飲ませてあげましょう。特に、外側側面がいつも溜まりがちな方はフットボール抱きを何回かやってみてください。白斑の予防だけでなく、乳腺炎の予防にもつながります。
③について
お口を大きく開かせて、深く吸着させることはおっぱいトラブルを防ぐ最大のポイントです。上唇がドナルドダックのように開いているか、下顎がしっかり開いておっぱいに密着しているか確認しましょう。また、体は上を向いて首だけおっぱいを向いて飲んでいる赤ちゃんを多く見ます。深く吸着するためのポイントは、お母さんのお腹と赤ちゃんのお腹を向かい合わせで密着させ、赤ちゃんの首と身体は真っ直ぐにしてあげましょう。また、赤ちゃんのお口と乳頭の高さが同じになるように高さを調節してあげて下さいね。
④について
特に、授乳間隔が空いておっぱいが張っている時に、乳頭・乳輪はかたくなります。かたくなると、赤ちゃんが吸いつく時に滑ってしまい浅くなりがちです。おっぱいが張っている時は、授乳前に色んな方向から少し搾って圧を抜き、乳輪全体を柔らかくしてあげましょう。吸いつきやすくなりますし、おっぱいの線(乳管)が開いてまんべんなく飲んでもらいやすくなります。おっぱいが一気に飛び出て(射乳)赤ちゃんがビックリしてむせてしまうことも予防できます。
⑤について
・乳製品(牛乳、チーズ、バター、ヨーグルト等)
・脂っこいもの(洋食、揚げもの、ラーメン等)
・砂糖(特に白砂糖)や果物の摂りすぎ
は、個人差も多少ありますが、おっぱいが詰まりやすいです。そして、特に白砂糖は身体を冷やします。
また、おっぱいの質(乳質)が悪くなるので、赤ちゃんが嫌がって飲みが悪くなることが多いです。乳首をひっぱったり、うにゃうにゃ文句を言ったり、すぐに乳首を離して反り返ったり、歯が生えてくると噛んだり…このように赤ちゃんが訴えてくることがよくあります。おっぱいも血液からできているので、やはり血液がドロドロするような高カロリーな食べ物は控えめにし、昔ながらの和食を心がけたいですね。
以前、ヨーグルトを1パック毎日必ず摂っていたママがそれを控えたところ、翌日から過剰に張るということがなくなり、おっぱいは軽くスッキリしていました。納豆やヨーグルトなどは身体に良いと言われるので、毎日習慣的に摂っている方も多いかと思います。ですが、「ばっかり食べ」が原因でおっぱいの調子が悪くなったり、乳児湿疹がなかなか治らない赤ちゃんも結構います。
ストレスも溜まりかえって身体に良くないので、食べちゃダメ!ではなく、バランス良く!を心がけることが大切なことだと思います☆
なんか調子が悪いなぁと思う時は、上記のものを控えめにし、調子の悪い側のおっぱいから飲ませてあげて下さいね。
*白斑に効くユキノシタ湿布のやり方
1.ユキノシタの葉っぱを用意する
2.熱湯に葉をくぐらせる
3.葉を手で揉むor裏側の薄皮をはがす
4.葉の裏側を乳頭に当て、上からラップで覆う
授乳の度にはずし、葉っぱが乾いたら新しいものに変え、数日貼っておくと、ユキノシタが痛みを緩和しながら白斑を治してくれます。
*ユキノシタとは?
ユキノシタは、別名「イドグサ、ミミダレグサ」、生薬名としては「虎耳草」と言われます。
湿地を好む、どこにでもある雑草の一つです。
全体に赤褐色の毛で覆われ、白い可愛い小さな花をつけます。葉っぱの上に白い花が咲くのを雪に例え、雪の下と名付けられたという説がありますし、中国名の虎耳草は、虎の耳のような葉の形や毛も生えていてフワフワしていることから名付けられたとも言われます。また、薬効の点からも、生の葉を絞った汁を数滴耳に落とすと中耳炎に効くと言われ、耳のための薬草としても有名です。日本でも耳垂草と呼ばれるのには、このような背景があるようです。
*ユキノシタの効能
【成分】
フラボノイド(サラシフラジン、ケルシトリン)、アルブチン、タンニン(プロアントシアニジン)、ペルゲニン、エスクレチン、精油成分(カンフェン、リナロール、ボルネオール)等
【作用】
解熱、鎮咳、消炎作用があり、風邪や中耳炎、むくみ、湿疹やかぶれに有効と言われています。
上記の成分の何が白斑に効くのかは文献が見つからず調べられなかったんですが、
・タンニンによる傷の修復や抗炎症作用、腫脹の軽減、ジクジクした粘膜の乾燥
・フラボノイドの抗炎症作用
・カンフェンによる抗炎症、抗菌作用
・ボルネオールによる抗菌、鎮痛作用
は、きっとプラスに働いていますよね👌
*まとめ
アロマもハーブも近年注目が集まっていますが、両方とも昔から行われていた伝統療法ですよね🌸
現代は、伝統的に行われてきたことに、科学で証明するエビデンスが裏付けされて、再注目されている分野が増えていると思います。
いつも何でも分かっていた昔の人は本当にすごいなぁ…と感心してしまいます。
ユキノシタ湿布に関しても、白斑にとっても効くんですが、周囲にない方には非現実的な方法なんですよね。ユキノシタ成分配合のクリームが作られればいいのになぁ、と思います。
私が授乳する時は、ユキノシタのチンキや浸出油を使って、人体実験してみようかな✨笑
長々となりましたが、読んでいただきありがとうございました☺️
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